こんばんは、戯言草々です。
記事数として10本を予定している「百戦錬磨のビジネス処世術」シリーズですが、最終回は処世術とは少し違った内容になりますので、事実上今回がシリーズ最終章となります。
今まではどちらかと言えば新卒・新入社員向けのビジネス処世術についてご紹介しましたが、本日は管理職の皆さんへ向けて書いていきたいと思います。
本日のテーマは…
指導/教育において説得と論破を間違えてはいけない。
こちらについて。
管理者として部下への指導/教育する時、〇〇して欲しい/〇〇するべきと言う時、また取引業者のミスを追求する場合など。
相手が理解してくれるように上手く説得していたつもりが、いつのまにか相手の言い分を論破する事に集中してしまっている方をよく見かけます。
つまり“勝ち負け“をつけようとしてしまう。
しかし、これではいけません。
思い返して下さい。
そこは勝負をする土俵なのかを。
※処世術シリーズはココから

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目次
指導が論破(言い負かす)になった場合、相手は辞職します。
説得と論破。
ビジネスの現場において言い方を変えれば
「指導/注意/教育する」と「言い負かす」
になるでしょう。
最初は相手の事を想い、または自分の責任においても「指導/注意/教育」をしていたはずが、いつのまにか相手を言い負かす(論破)事に意識がいっている状況を管理者を経験された方はピンと来るはず。
これは頭の良い方によくある傾向ですね。
そして、もし“言い負かす”ことに注力してしまった場合、その結果や相手の受け取り方が予想とはまったく違う方向に進んでしまった経験もあるでしょう。
言い負かす。
よくあるのは、正論を述べていき相手の逃げ道を奪うパターンです。
相手がミスをした場合に
「〇〇はどうなんだ!」
「それだと〇〇だろう!」
「じゃぁ〇〇の場合どうする」
「じゃあ次は〇〇にはならないな」
この様な“詰め方“をするとどうなるかは分かりますよね。
相手がもし同じミスをしてしまった場合、その相手の逃げ道は「自信喪失」をするか、自棄(ヤケ)になり「反発」をするようになるかです。
最悪の場合は辞職してしまう。
これは本当に「説得/注意/教育」しようと思って望んだ結果でしょうか?
本当に望んだのは「説得/注意/教育」によって、相手が改善してくれる事を願ったのではないでしょうか?
しかし、相手は辞職してしまった。
そして、管理者の方は何故辞めたのかの本質には気づかない。
何故なら、管理者の方は「自分は正論を言ったはず」と思い込んでますから。
しかも、最初は相手の事を想って指導していたので「親身に指導していたのに…」とも思うかもしれません。
まさに、ミスコミュニケーションです。
もし、相手を辞めさせようと思っているのなら、“言い負かす”ことは抜群の効果を発揮するでしょう。
しかし、もし“相手に改善を望む“なら言い負かすのではなく、ちゃんと逃げ道を残すか別のやり方を覚えましょう。
それにしても、何故このような事がよく起こってしまうのか?
これにはちゃんと理由があります。

言い負かし(論破)てしまうのは、相手と勝負をしているから
何故、最初は相手を想い改善して欲しくて指導していたのに、いつのまにか“言い負かす”ことになってしまったのか?
これには大きく2つの原因があります。
ひとつめは、
自分が相手と勝負をしてしまっている。
ふたつめは、
相手が言い訳したのが許せない。
この2つの“原因“が指導をいつのまにか論破にしてしまうんです。
・管理者(指導)側が指導相手と勝負してしまう理由
これは管理者側が若くして管理者になった場合、もしくは経験豊富な方が自分なら出来ていた事を相手が出来なかった場合によく起こります。
まず、若くして管理者になった方はもちろん有能な方です。
しかし、若いがゆえ舐められたくない気持ちが出てしまい「何故出来ないのか?自分は出来るぞ!」と勝負してしまう傾向がある。
まだ気分はプレイヤーという事です。
次に、経験豊富な方のなかでも「昔は〇〇で…」みたいな方は要注意です。
自分達が苦労しながらも達成したことを、指導相手側にも同じものを求めてしまうからです。
これはある種の自己顕示欲にもつながりますが、いずれにせよ「自らの優位性」を示している時点で勝負をしてしまっています。
つまりは、
どちらもまだマネージャー視点に立てていないという事です。
せっかく昇進して管理側になったのに、そのマネージャ視点の仕事よりもプレイヤーの仕事に自信を持っているから勝負してしまう。
言い換えれば管理業務に自信を持てていないという事です。
・言い訳をしてしまったのが許せない理由
理由は簡単です。
正義感が強い。
独善的である。
どちらかです。
いや、この2つを足した支配的という表現の方が正しいかもしれません。
もちろん言い訳した方にも問題がありますが、指導側の目的はあくまで相手が改善することのはず。
しかし、言いわけをされてしまうと支配欲が強いですからね、従順でない相手にはとことん追い詰めてしまいます(笑)。反旗には敏感です、城主様ですから。
もし、自分が管理者でこのどちらかのタイプである様な気がする場合、早急に気づいて指導の際には十分に気を付けましょう。
目的は改善です。
自分的にいくら正しい事であっても、
辞めさせてしまったら、
反発させてしまったら、
それは改善とは真逆の結果でありますから。

言い負かさずに逃げ道を作ろう。本日のまとめ。
というわけで、本日は新卒/新入社員の方向けではなく、管理者側によくある注意すべき点についてご紹介させて頂きました。
指導しているつもりが言い負かしてしまった。
これは本当によく見られる光景です。
そして、言い負かされた相手は辞職するか、恨みを持って反発するようになる。
思い出してください。
管理者側の仕事は、部下をよりよい状況に導き、全体の生産性を向上させる事である事を。追い込んで辞職をさせたり、自棄にさせたりするのが仕事ではありません。
それでは、最終的に貴方の評価が落ちるだけです。
管理者の貴方がさらに上に行くためには言い負かす能力ではなく、逃げ道を上手く作る能力か、もしくはたまには負けてあげられる度量なのかもしれませんね。
……。
実は今回の話は、私の部下(管理者側)が新人に指導している姿を見た時に気づいた事を考えてまとめた文章であります。
まだ後輩も若いなぁ~と思いながら書いてました(笑)。
とは言っても…
私自身もここで書いた風にはうまく自制出来ないですけどね!(笑)。
やっぱり言いたいことを言ってしまう時がある。
自身への自制も込めて書きました。
それでは。
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